参詣道の一つ、玉置街道を歩く。
この街道の存在を知ったのは、
栂嶺レイさんの著書『誰も知らない熊野の遺産』を読んでから。
(本の詳細については下記リンクにて)
玉置山(玉置神社)への山道/参道といえば、
・折立集落から登るルート
・大峯奥駆道
の2つが私にとっては馴染みがあり、
〝木馬道〟や〝一の鳥居〟の存在が気にはなっていましたが、
詳しくは知らずにおりました。
2019年5月に、
「旧表参道の一の鳥居 再建」という記事を読んだのがきっかけで、
調べていくうちにヒットしたのが、
栂嶺さんの著書。
今回は、
十津川の山に詳しい大先輩Nさんにご協力いただき、
村内外から集まった13名で玉置街道を経て玉置神社を目指しました。
十津川村 竹筒の葛山 というところからスタート。
登り口は分かりにくかったのですが、
当日地元の方が看板を設置してくださりました。
歩きやすい道、歩きにくい道を交互に歩くように進み、
草をかき分けて杉林に出ると…
そこに立っていたのは一の鳥居。
その圧倒的な存在感…!
かつてこの道を行き交っていた人々にとって、
この鳥居はどんな存在だったんだろう…。
地元の方によると、
明治の頃までは、この鳥居の周辺には宿もあったそうです。
その少し先に進むと辻があり、
目印のお地蔵さまや立派な巨木が立っていました。
ちょうど半分を歩いた辺りから、
「えぇ〜大丈夫?」と言いたくなるぐらいに…
降りる降りる降りる。
一旦道路に出て、
谷にかかった橋を渡ると、
さきほどの 降り を一瞬で取り返してねと言わんばかりの急坂。
もちろん上りです。。。!
このエリアは崩れている箇所も多く、
足が疲れてきているところに、
なかなかのボディブローでした。苦笑
ここさえ抜けてしまえば、
あとは車道と本宮辻からの最後の登りです。
車道を通らないルートもあるということでしたが、
現在は作業道からの土で歩ける状態ではないということ…。
最後に立ち寄ったのは、
本宮辻に入ってすぐにある、
犬吠檜。
大津波がそこまで迫り、
一匹の白い犬が、
その巨木であった檜に登り吠え、
人々を救ったという言い伝えがあるそうです。
こんな所まで津波!?と思いますが、
玉置山では枕状溶岩が見られることや、
山頂からは熊野灘が見えることから、
海にまつわる言い伝えがあっても不思議ではないのかなぁと思います。
そしてやっと玉置神社へ到着。
参道から正面に見えた本殿の鳥居。
いつもの玉置神社参拝とは違う思いでした。
この玉置街道は、
作業道と交錯している箇所が多く、
人が歩かなくなったことも併せて、
歩きにくい/分かりにくい箇所が多かったです。
しかし、
時折見える石積みや石垣などは美しく、
これまでの歴史と文化を感じることができる道でした。
玉置神社への参道…
まだまだ歩き見たいものがありそうです。